「ダーウインの悪夢」を観て。

honest152007-02-14

春一番が吹いたと言う。
”風が吹けば、、、桶やが儲かる。”
という連鎖のような映画が
「ダーウインの悪夢」


誰かがヴィクトリア湖に放った大型魚ナイルパーチ
(白スズキと呼ばれた事も)。
小さな魚を食べ、異常に繁殖し、食に適したナイルパーチの魚加工産業が興った。
金が集まり、人が集まり、街は繁栄したかに見えた。
金が儲かる時についてまわる一握りの金持ちと、大多数の貧困層
ここにくれば、儲かると聞いて集まる人達の多くは、現実とのギャップに
打ちのめされていく。
やがて麻薬に走り、エイズが蔓延し、ストリートチルドレンが街を埋めていく。


この魚を買ってるのが、ヨーロッパや日本の先進国。
安く運ぶために、危険を顧みないロシアのパイロットが飛行機を飛ばしてる。
魚を運ぶために跳んでくる飛行機は空だと言ってるが、武器の密輸の可能性も
捨てきれない。
ヨーロッパの先進国と言われる国が、戦争のための道具を輸出してる。


美しいヴィクトリア湖が、生態系が崩れた流れの中で、人間の欲がからむと
こんな問題を輩出する破壊が始まる事を、この映画は描き出した。
先日のNHKのインド特集では、スェーデンの企業が発注した繊維製品を作る過程で
公害を垂れ流し、労働者の健康を蝕んでる実態をデンマークの制作会社が示した。
日本のリサイクル家電製品が、中国で分解され、その過程での、健康破壊、
環境破壊の例も紹介されはじめている。


自然破壊を防ごうと、熱帯雨林とかの伐採に制限を加えたり、植林に力を入れている
企業、NGOも出てきている。
我々が輸入したり、部品として買い付けている物の作られている過程をもっと
知らしめる努力を、企業もマスコミも、NGOも個人もしていかないと、
どんどん自然を苦しめ、人間を苦しめる事になる。