長良川がおかしくなりつつある。
ダムのない川として有名な長良川。
河口堰が出来て、生態系が変った。
知らない内に上流でダムが出来ていた。
阿多岐ダムという。
内ヶ谷ダムも上流に作ろうとしている。
さらに徳山ダムの水を長良川に流し、木曽川に導水しようとしてる。
徳山ダムは幾多の反対を押し切って作ってしまった。
電力用、治水用から利水用と、ころころダム建設の用途を変えて完成はした。
しかし何も利用価値がない。
で、利水で愛知県、名古屋市が必要という名目で導水しようと、
密室で決められたようである。
ある日新聞を見て、びっくりした。
長良川の鵜飼をやってる上流に徳山ダムの水を流すという。
鵜飼があったから30年前の日本中の川が汚染された時も、
長良川は清流のままだったのに。
平然と鵜飼をやってる上流に水を流すという。
徳山ダムの水温は長良川より低い、ダムに溜まって水藻が発生してるのに。
県議会が導水を認めたという記事を昨年に見た。
こんな馬鹿な事をあっという間に認めようとする力学はどこから出てくるんだろう。
長良川は、岐阜市民を始めとする流域県民には、清流というシンボルになってる。
その気持ちを無視なんてできるのは、お金か、圧力か。
もやもやしてた気持ちに広告を見た。
朝日の岐阜版に一ページ「長良川への想い」というタイトル。
そのシンポジュウムが昨日あった。
映像作家が、長良川の上流、中流、下流の生態を丁寧に紹介してくれた。
一番驚いたのは、河口堰が出来た後の河口近くの水域。
しじみが全滅してた。
海水と川がぶつかる汽水域が長良川にはなくなってしまった。
この海と川のぶつかる水域には、生態の微妙な世界が息づいている。
三重県の「銚子川」の汽水域が水が綺麗なので、その映像が紹介されたが、
それを見ると海水は真水より重く、真水の下に流れているのがわかる。
意外と海水と真水はきちんと分かれている。
ほんのちょっぴりそのぶつかった部分が、ぼんやりしてる。
それを”ユラユラ”というんだって。
鮎もどうやらこの辺で産卵してるらしい。
でも長良川では産卵はできないね。
河口堰がある。
おかしくなった長良川が、今度は導水でおかしくなりそうである。
いらない徳山ダムを作った”辻褄あわせ”のために導水しようなんて
計画を立てている人は、恥ずかしくないのか。
過去の官僚が立てた計画が駄目だったら、破棄する勇気が欲しい。
これからの官僚は。