Which?

honest152005-07-07

2012年のオリンピックは、息子が生まれたロンドンが勝った。
娘のいるパリもいいけど、ロンドンが勝って、嬉しい。
32年前研修先として、ロンドンを選んだ。
当時イギリスは、斜陽国、大英帝国の没落と言われ、
落ちるとこまで落ちていた。
研修テーマが「Which?」という雑誌の研究。
物を買うときに、ここが独自に商品調査をし、商品の評価をしていた。
品質、耐久性、デザイン、プライス等。
最も評価の高い物に対しては、「Value for money」と言っていた。
32年たった今もこの言葉が、物を買う時の基準だと思う。


当時のイギリスは、共稼ぎも多かったし、配送手段が発達していて、
通販も元気だったし、新しいショッピングセンターの広場では、
休み毎に開かれる青空広場も人気を博していた。
古い街並みでも、独自に骨董市、家具市、ファッションバザール等が開かれ、
ガレージセールもあったし、毎朝牛乳が電気自動車で配達されていた。
32年前でさえ生活者の立場にたつと、買う選択肢が色々あった。
物を買うWhich?だけでなく、
物を買う方法までもWhich?できた。


あれだけ苦しんだ時代でさえ、生活者の視点が大切にされた国だった。
我が日本は、苦しくなると、生活者に我慢を求める風潮があるが、
もっともっと生活者の視点で考えていかないと、ちゃんとした国には
なれんだろうな。