今日は手塚治虫の命日。

honest152007-02-09

自分が尊敬できる天才に直に会ったのは、手塚治虫だけ。
岡崎で博覧会をやろうという事で、
随分議論して、手塚治虫に総合プロデューサーを
頼もうという事になり、代表して頼みに行った。
どうやって頼もうか悩んだけど。
多少のつてもあったけど。やはり真摯に頼もうと出かけた。


岡崎について語り、子供達の未来をテーマにした博覧会にしたいとお願いし
快諾してもらえた。
博覧会の総合プロデューサーというのも始めてだったみたいで、
どうやらその事が、彼の気を惹いたみたい。


会場予定地に来てくれて、全体を見るために、
隣接地の三河高校の屋上にも上がった。
合計で、3回会えた。
印象に残ってるのが、
”アイディアは一杯ある。詰まってる。でも、納得できる線が描けない。円が描けない。”
と言われた事。
良く作家が、書くネタがなくてスランプに陥る話は聞くけど、
手塚治虫は、そんな事では悩まなかった。
自分の右腕と肘を見せて、ここが問題なんだ、と言ってた。


多分素人目にはわからない微妙な線や円も、自分が納得しないと完成できない
人だったんだ。
人に描かせるのではなく、自分で描く。
そんな天才だったんだ、と自分は思ってる。
岡崎の葵博が1987年。
亡くなったのが、それから2年後の1989年の今日だった。
まだ60歳だった。
アイディアは何処をさ迷ってるのか?