日本の伝統の力は世界に誇れる〜伊勢形紙〜

honest152007-04-12

昨日夜、御園座に出ている尾上松也の話を聞いた。
22歳という若さだけど、女形を演ずる話は面白い。
帯がぶらぶらしてる着物を着て歩く時、
前後に揺れるのは、町娘。
左右に揺れるのは、芸者。


ふーん、と頷いて、今日は鈴鹿白子まで、伊勢形紙を見に出かけた。
私自身、全然伊勢形紙の事は知らなかった。
パリ娘が、パリで知った伊勢形紙を見たい、というので、アッシー君をした。
パリにいると、日本の伝統美に魅かれるらしい。


白子は遠かったが、伊勢形紙がらみの施設・店は三つあった。
伝統産業会館、伊勢型紙資料館、伊勢型紙専門店おおすぎ。
室町時代から作ってたという型紙。
専門店おおすぎに行くと、店主の屋敷が店の敷地内にどーんと鎮座してた。
儲かったんだ。
型紙を安っぽくしてる商品を並べてる、今様の商魂で、伊勢型紙の良さを半減してた。


伊勢型紙は、凄い。
日本って、凄い国だ。
この技術は何だ!このデザイン感覚は何だ!
手をかけ、時間をかけ、技術を磨き、感性を磨いて、型紙美を追求してきた。
着物の柄を見て、こんな繊細な美しさをどうやって表現してるんだろう?
という謎の一部が、ここにきてわかった。


自分も、彫刻刀でカットして,しおりを作ってみた。切れ味が鋭い。
細かいとこは、とてもカットできない。
展示してある型紙は、想像を超えた努力と技術と鋭い感受性で出来上がっていた。
資料館では、彼らを「職人」と呼んでいる。
ちょっと違うと思った。
職人というと、技術の秀でたというイメージがあるけど、
彼らは、技術だけでない。細かい部分も、全体の構成も凄い。
こんな力を持ってる伝統美を大切にしたいものだ。