オリンピック開催地は国境を越えた問題を内在してる都市でやるのがい

honest152008-06-13

先日2016年のオリンピック候補地が絞られた。
そこに東京が入ってる。
今年北京でオリンピックが開かれるので、
殆どの人は、東京開催はない、と思ってはいるが。
第一次選考の基準が、計画の精度、インフラ整備、財政
と言った大都市に有利な基準になっている。


第一次選考に残った事で、石原知事は、国の物心両面の協力を要請してる。
東京都は、財政的にも豊かで、都市としてのインフラ整備は日本では一番。
その都市にもっと金をつぎ込み、整備しようとしてる。
最近地方との格差問題が議論され始めたけど、更に東京一極集中が進みそうだ。
オピニオンリーダーも、マスコミも圧倒的に東京に集中してるが故の弊害である。


幻に終わった1988年開催の名古屋オリンピック招致に向けての活動に関わった。
その関係で、1980年のモスクワオリンピックにも、特別パスで、競技施設や、
開会式、閉会式、レセプション、オープニングコンサート等にも顔を出した。
当時旧ソ連アフガニスタンに侵攻し、アメリカのカーター大統領の呼びかけで、
西側諸国の大半がボイコットした。
それでも、モスクワオリンピックには、世界の様々な選手、関係者、観光客、
マスコミが集まってきた。
カーテンに閉ざされた旧ソ連も、これだけの外国関係者に全て蓋をするわけには
いかなかった。
旧ソ連国民、モスクワ市民も色んな形で世界と触れた。
それから8年たって、旧ソ連は崩壊した。


今年北京で開かれるオリンピックにも、チベット問題をはじめとして、
一部ボイコットの動きもある。
最近はトーンダウンして、開会式に出席しない各国の首脳も減るかもしれない。
それでも、北京には多くの国の選手、関係者、政府、観光客、マスコミが
行ったほうがいい。
今やボイコットするという方法よりも、色んな立場の人が、中国を見たほうがいい。
中国国民とも接触したほうがいい。
中国もオリンピックを開催する事による、抱えている諸問題をある程度
明らかにされるのは覚悟しているだろう。
オリンピックが開催されないと、チベットを始めとする諸問題があきらかにされない。
国民に対しての閉ざされた報道も、ある程度オープンになっていく。
そういった中で、中国は後5,6年後には大きな変革を迎える事になると思う。


中国も孤立して、覇権主義を通せば、かなり危険な国家になるのを、
オリンピックの開催によって防ぐ事ができる。
1988年のオリンピックも、名古屋の競争相手は、ソウルだった。
まだ分断された国家だったし、共産圏からは、賛成の声は聞かれなかった。
名古屋が有利な情勢だったが、最後はIOCへの攻勢がソウルのほうが勝った。
ある意味、ソウルという分断国家での開催は意味のある事だった。
国境を越えた課題がある都市での開催ほど意味があるといえる。


オリンピックに政治は持ち込みたくない、という意見もある。
しかし世界の平和に最も貢献するのも、オリンピックである。
政治という言葉を使わなくても、平和というメッセージで問題を内在してる都市での
開催がこれからも大切になると思う。


エンタテイメントとしても、自分が生で見たモスクワオリンピックの開会式、
閉会式の演出は、ロスオリンピックの演出をはるかに凌いでいた。
聖火台への点火する階段がなくて、どうやって登るんだろう、と思ってたら、
観客の中にいた兵士達が板を掲げ、聖火ランナーがそのスロープの上を
走り、登りきって点火したシーン。
閉会式では、キャラクターのミーシャが人文字で観客席一杯に現れ、
ポロッツポロッツと涙を流して別れを表現した。
”お主やるじゃない!”と感じ入った。