面白かった!「天地明察」 からんころん!!

honest152010-05-01

いつもは歴史小説は読まない。
その上テーマが暦という地味系。
作家の名前も知らない。
その「天地明察」が本屋大賞をとった。
本屋大賞も、滅多に興味を惹かない。
あまりにないないずくしなのに、妙に気になった。


結論:面白かった。
実在の人物を小説にした。
囲碁棋士が算術が好きで、終には暦づくりにはまっていくさまを、
淡々と、山あり谷ありで筆を進めていく。
囲碁棋士が主人公という事で、この小説にはあちこちに布石が打たれていた。
物語が終盤にさしかかる頃、何気なく布石だったんだ、ということがわかる。


”からん ころん”なんて、擬音まがいのサウンドまで彩りに使い、
えらく達者な作家。
イギリスのケン・フォレットの「針の眼」という小説を彷彿とさせた。
彼も、歴史的事実をもとに、彼の視点で物語を進めていった。
それが面白かった。


天地明察」の作者、”うぶかた とう”という。
まだ若いけど、どうやら色んなジャンルの仕事をしているらしい。
今度は、是非ミステリーを書いて欲しい。
天地明察」は所々、難解な算術、天文が出てくるが、映画になるだろう。
単純な日本人は、映画を契機に算術、暦ブームが起こりそうな予感がする。