ポジ・スパイラルが面白い

honest152011-02-01

15年ぶりに服部真澄を読んだ。
前は、国際サスペンス物だったけど、今回は”日本”がテーマの
「ポジ・スパイラル」
ブックカバーには、”諫早開門”とあったので、読む気になった。
堰を作っての弊害は、長良川河口堰でも起こってる。
諫早は、民主党政権になって、開門をすると言っている。
それでも地元は揺れている。
堰が出来るまでの漁業、堰ができての農業、両方から異議が出ている。


服部真澄は、それぞれの課題を理解しながら、ポジティブに事を解決する
プレゼンをしている。
政府、役人にも耳を傾けさせたい本になっている。
海の生態系を取り戻し、海洋資源のエネルギー利用と”海洋ニッポン”
をもっと活用せよと訴えている。


堰が出来てしまった諫早湾、そこへ”菱”の種を投げ込み、生態系を
取り戻す事からスタートしたプロジェクト。
食用としての菱だけでなく、バイオエネルギーとしての菱が注目を
浴びる。
次の手は、海藻。
浅い海域に繁茂する”アサオ”。
時として、海底を窒息させる有害な藻も、利用次第では、
窒素、二酸化炭素を吸い取り、海を生き変えさせる。
深い海域では、ホンダワラという海藻の食用、エネルギー利用を
水を焼く(シャープの電子レンジで実用化)技術で可能にした。
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領海を含めると、日本は世界6位の海洋大国を忘れてしまっっている。
湾岸を人工物で囲って、海の生態系が崩れてしまっている。
エネルギー問題は、相変わらず石油頼み。
自立したエネルギー対策は、出来ていない。


菱とか、海藻の活用によれば、この問題を解決できると、
彼女は大胆に、ポジティブに本にあらわした。
本を読んで、ネットで検索してみると、彼女の提案はあながち
不可能ではない。
縦割り行政、資金つくりまで考え込んだ彼女は、
初代の「海洋担当大臣」になってもらいたい位だ。