東京オリンピック招致を考える
1988年の名古屋オリンピック招致に係わっていた。
モスクワオリンピック、ロスオリンピックの開会式も見る事ができた。
当時の大国、アメリカ、旧ソ連が、それぞれ相手国の大会をボイコットしてた。
スポーツの祭典なのに、どうしても政治に巻き込まれる。
名古屋がソウルに負ける前夜、IOC委員が夜を過ごしてた場所にいた。
何人かのIOCの委員が、”Congratulation"と言ってた。
色々な憶測は、されたが、投票の前夜までは、名古屋はそこそこの戦いをしてた。
真夜中から未明にかけて、あるグループから要望がでて、名古屋は拒否した。
そこで、潮の流れが変わった。
今回の東京の立候補にあたっては、IOCも仕組みを変えて、より透明性を高めようとしてる。
しかしIOC委員の投票によって決定する仕組みは、変わってない。
当時の名古屋も、IOC個人へのアプローチが未熟だった。
今回の東京も、その時からどれだけ日常活動をしてきたか?
個人対個人の付き合いが、とても大切。
プロのスポーツ大会、例えばワールドカップのサッカーは、ある意味同じ部分と、
ビジネスライクの部分が必要。
オリンピックは、本来アマチュアの精神で成り立ってる事を忘れてはいけない。
基本は、日常活動である。
招致の計画書が、報道されている。
この計画書が、あくまで基本である。
精緻に、魅力的に、パワフルな統一感がいる。
今回の東京は、コンパクトを主張してる。
とことんコンパクトが、相手に伝わるか?
1300億かけ新設するメインスタジアムは、コンパクトという言葉とは、距離がある。
他にも新設する予定の施設が目立ちすぎる。
オリンピックは、都市が立候補する。
東京のアイデンティを、どう考えるか?
長い歴史の中から、発見しスポットライトを与えるのと、
新しく未来に向かって創りあげるもの、の両面から考える必要がある。
ドバイとか、上海のような都市イメージでない、東京独自のイメージを打ち出したい。
東京は、家康が江戸を切り開き、大火をバネに街づくりを考え、リサイクルできるライフスタイルまで
実行した都市の見本のような先進性をも持っていた。
文化面でも、浮世絵に代表される世界に通用する物をもっていた。
復興をテーマに考えるなら、未来にむかってのリサイクルできる街を考えてほしい。
世界に通用するのは、「戦争をしないと決意した国」である事。
こんな国は、世界に極めて少ない。
堂々とアピールするチャンスである。
使い古されてるイメージがあるけど、”平和”は、日本のキーワードである。
日本人のホスピタリティも、誇れる。
優しさ、奥ゆかしさ、もったいない精神、、、日本人の美徳をアピールしたい。
奥ゆかしいからといって、あいまいなアピールはやめてほしい。
過去も、未来にむけての創造も、日本オリジンを強く考えてほしい。
東京都には、5000億ものオリンピック資金があるというが、不思議だ。
日本国民のある意味犠牲の上で、東京一極集中の資金力にしてるのに。
地方の疲弊が、続いてる中で、地方代表の都市が立候補したら、
もっと支持率は上がるだろうに、、。