街は暑い。

梅雨もあけ、本格的な夏が来る。
体が夏に慣れていないので、まだ折り合いがつかない。
ビルに囲まれ、コンクリートの上を歩くと
太陽に憎しみさえ持ってしまう。
カフカはこうだったのか？
空調がきいているビルの中、地下街に入ってしまうが
出来れば自然の中で涼しさ、爽やかさを感じたい。
水と風と緑がいる。
サンアトニオでは、洪水防止のための運河に沿って、
樹々を植え、散策路を作った。
まわりの温度より３度程涼しくなった。
昔ビルの屋上のビアホールは、風が通り
ビールの冷たさとあいまって、夏の夜には気持ちいい空間だった。
万博会場にも、色々工夫がされている。
パビリオンの壁面から水をしたたらせたり、
殆んど濡れない霧状のものを噴射したり、
スコールを降らしたりしている。
会場のほぼ中心に位置する所に、バイオラングがある。
都市の中で、建物と一緒に増殖する緑だ。
霧もでている。
ないのは、風だけだ。
街のなかには、ビル風があるか。