アメリカの悪役と日本の悪役”鬼”

honest152006-02-05

”福は内 鬼は外”の掛け声が耳に残ってる昨日
NHKで「アメリカ映画のヒーローと悪役」をやってた。
節分になると、日本も善玉と悪玉が際立つので、
そのタイミングでNHKは放映したのかもしれない。


ヒーロー部門の上位は、「インディー・ジョーンズ」とか「ロッキー」、
「007ジェームスオンド」、
と強くて格好よくて、人間味あるタイプ。
西部劇のような時代物の中でも、マッチョな強さではなく、一見やさ男が、芯が強くて、
正義感溢れてるタイプが出てくる「真昼の決闘」,「シェーン」。
「スーパーマン」、「スターウオーズ」のような空想の世界でも、弱みを見せるタイプ。
国を出て、郷に入って行動する男臭さのせつなさが共感を呼んだ「カサブランカ」、
アラビアのロレンス」。
ヒーロー部門の一位は、「アラバマ物語」、グレゴリーペック演じる弁護士が、
大恐慌真っ只中、南部の人種差別意識の強いアラバマで、罪を被ろうとしてる黒人を
弁護する。彼の脅しに屈しない姿に、子供達が育っていく様を描いてる。
差別とか、圧力で戦う正義感は、アメリカ映画のモチーフになる。
大統領の陰謀」もそうだったが、段々少なくなってきた気がする。


悪役は、主役で映画に現れる事は少ない。
善玉(主役が多い)を浮かび上がらせるための役なんだけど、映画が出来てしまうと、
余りの悪役ぶりに、本当に怖くなってしまう。
ゴッドファーザー」でのアルパチーノの冷酷さ。「カッコーの巣の上で」での
婦長の意地悪さ。
ストレートに怖い「エイリアン」、「エクソシスト」。
アニメの世界でも、「オズの魔法使い」の西の魔女、「白雪姫」の女王、
はたまた「バンビ」の中での人間も怖い怖い存在として描かれている。
宇宙物、「スターウオーズ」、「2001年宇宙の旅」でも悪役は裏主役。
それでも何が起こるかわからない怖さが本当に怖いらしい。
「サイコ」は善良そうな男が突然殺人鬼になったアンソニー・パーキンスがはまり過ぎ。
悪役部門一位は、アンソニー・ホプキンス。「ハンニバル」でのレクター博士役。
羊たちの沈黙」で怖くて、それでも見終わって、忘れた頃、
10年もたってレクター博士が登場。登場だけで怖い存在感があった。
善玉の主役より個性が強く、存在感がある。


ヒーローと悪役を見てて、ヒーローは悪役や相手役がいないと存在感が薄くなる。
悪役は、最初はヒーローとの対決で現れるが、個性的な悪役は、悪を磨く事によって、
殆ど一人立ちしてしまう。
福は内、鬼は外と叫んでみると、よくわかる。
福には、イメージがなく、悪役たる”鬼”にはある。
どうしてなんだろう?
孫娘も、保育園で鬼の面を作った。福ではなく。