遊行僧  ”円空” を観る

honest152006-02-12

円空は、木彫りの仏像師として知られている。
円空展なんかも開かれ、木彫りの仏像は見た。
その円空を劇にした。中々面白かった。


彼は遊行僧として、全国を旅した。
生まれた美濃から陸奥に渡り、蝦夷まで足を延ばした。
関東、北陸にも、彼の仏像が残ってる。
何せ12000体の像を作る事を誓ったと言われてるから、寝ずに彫ったのかなー。
現在でも美濃を中心に全国で5200体余りが円空作と言われている。


岐阜に「劇団はぐるま」という元気で、クリエーティブな劇団がある。
50年も活動してきて、代表作は「郡上一揆」。
代表のこばやしひろしは、劇作家であり、演出家である。
自分が高校生の時は、国語の先生もやっていた。黒板の前の机に腰掛けて授業をやっていた。 現役の住職でもある。
役者も役者だけでは食えないので、色んな仕事についている。
そんなたくましさがエネーとなって、好きな芝居に現れている。


今回の”円空劇”は、素朴な像と同じように、庶民の中で生きてきた円空を、
母親との死に別れ、優しい村娘への想い、命を狙われるといった流れが
時にはミュージカル仕立てで、テンポ良く進んでいった。
旅から帰ってきた円空は、生まれ故郷の輪中が洪水にあう寸前に、彼の彫った
十一面観音菩薩によって救う、というお話。
今まで木彫り像としての円空の存在はあったが、”人間円空”を描いたのは初めて。
昨日と今日の2日間興行が惜しい。
きっとまた興行すると思う。
地方劇団だけど、いけてる。ホームページも見て。
http://www4.ocn.ne.jp/~haguruma/