テロから34年経って、”ミュンヘン”を撮った。

honest152006-03-14

1972年9月、ミュンヘンオリンピック開催。
その頃、研修生として、ロンドンに滞在していた。
ロンドンからわずか2時間で行けるミュンヘン
イスラエルの選手がテロに遭う。
ブラックセプテンバーと名乗るテロリスト集団が実行犯。
同じ年頃だった。自分も息子を、その年ロンドンで授かった。


事件は人質となったイスラエル選手団が全員殺されるという悲惨な結果に終わった。
テロリストも、殺されたり、逃げたりしたが、表面上は決着をした。


で、この映画。スピルバーグは、何を言いたかったんだろう?
所詮、彼はユダヤ人で、映画はハリウッド。
パレスチナ人の立場での映画ではない。
イスラエルという国家の立場を100%是認する映画でもない。
テロリストに報復する工作員が、報復を重ねる毎に、”人間”に目覚めていく
プロセスを描いてはいる。
テロリストに報復すれば、その仲間、組織、家族も”報復の連鎖”に陥る。


イラク戦争後の修復、体制作りが泥沼化しているアメリカよ、今のような力での
悪の体制破壊(アメリカにとっての)は、結局復讐、報復の連鎖を起こしてしまう、
という事をスピルバーグは言ってるのだろうか?
テロとの戦い、というと正義の戦いのように聞こえるけれど、やはり殺しあう事は
間違っている。


今のイラク戦争から20年位経つと、親を殺された子供も成長する。
アメリカに対する報復が更に、強い形で現われそうな気がしてならない。
今度は、イラクの映画人が、”バクダッド”という映画を作るかもしれない。