【涼欧③】悲惨な歴史をベルリンはアートで伝える

honest152007-08-30


ベルリンには、ナチの虐殺という悲惨な歴史がある。
冷戦時代の壁崩壊の後、改めてこの歴史を
どう、次世代に伝えるかを、考え、
アートで伝える事に、力を注いだようである。


ユダヤ博物館は、以前の収容所跡地にある。(ダニエル・リベスキント作)
ユダヤという民族の歴史を中心に展示してある。
一種流浪の民に見られるユダヤが、決してそうではない。
歴史もあり、色々な分野で有為な人材を供出してる。
社会、経済、科学、芸術の分野でも、世界に貢献してる。
という展示で、ユダヤ人自身の誇りを持たせる事と、
ユダヤ人への理解と信頼を求めてる展示。
あの悲惨なホロコーストは、展示として、ごくわずかである。


しかし、建物の中に入ると、通路が傾斜してたり、暗闇があったり、迷路になったりして、
ホロコースト時代の、暗闇、恐れ、心細さを嫌でも体感できるようにしてる。
特に”鉄で出来た顔”、大きさでいうと20cm位の顔、これが斜めのスペースに
1000個程置かれてる。
この表現がけど、ホロコーストの怖さが次世代にも伝わっていく。
これは、”現代芸術”だ!!


新しくベルリンの中心になったポツダム広場。
この近くに、2005年「ホロコースト慰霊追悼碑」(ピーター・アイゼンマン作)がある。
高さも、長さも違う長方形のコンクリートが並んでいる。
異様な光景。
良く見ていくと、コンクリートは墓石に見えてくる。
2711の墓石が、1万9000㎡の敷地に置かれてる。
ホロコーストを文字、映像、展示で表現してもいるだろうけど、
こういったアートで表現する事により、風化し勝ちな歴史を次世代の人達の心にまで
伝える事が出来ると思う。


去年訪れた広島の原爆ドーム原爆資料館だけでなく、
原爆の悲惨さを、かなりレベルの高いアートで表現できればと思う。