富士山に向かって
高校の同窓生による東西対抗ゴルフ会。
丁度今頃の季節に開催する。
富士山が雪を被り、天候も安定し、
紅葉も見られると三拍子揃った時期。
コースのロッジに泊まって、近くの蕎麦屋で宴会をやって、
あくる日にプレイする。
今年は、前日岐阜から3台の車が、富士に向かった。
日本平を過ぎる頃から、富士山が全景を現した。
東名のハイウエイがバージンロードのように富士山に向かってるポイントがある。
富士川サービスエリアからETC専用出口で出て、10分位でリバー富士に着く。
ここは、これで3回目だけれど、今年は紅葉がまだまだ。
遠いメンバーは、車で奈良から来た。
東京の連中は、意外にも新幹線が多い。
住んでる所が離れてるから同乗で来るのが、難しいんだろう。
蕎麦屋での宴会には、24人が集まった。
近況と、明日のスコア目標をそれぞれ述べる事となる。
働いてるのが少なくなった。
農業、弁理士、ゴルフ場経営、コンピューター、重工業位が専業。
パートとか、たまにとかの仕事をしてる連中もいる。
ただ、この宴会では仕事の話は、何故か歓迎されない。
時間の過ごし方は、健康と密接に関係があるようだ。
大病をした人間も数人いる。
身障者手帳を持って、ゴルフに来るのもいる。
余り物で、釣りのルアーを作ってるのもいる。
10km走ってる、100名山を60まで踏破、イギリスにいた時リンクスを廻った、
アパート経営経験での火災保険のちゃんとした活用、ジャズピアノにギターを加えた、
中国に月に一度行く。
千葉の館山に民宿を借りているという仲間は昔の遊び友達。
今度孫を連れて行くからと約束した。時期は3月がいいらしい。
体は健康です、という人は殆どいない。
去年も、この会が終わって1ヶ月入院したというのもおり、
軽い脳梗塞を起こしたのに、酔っ払ってるのもいる。
この会では、皆飲もう、喋ろうと決めてきてるみたい。
一番びっくりしたのは、本当は明日入院の予定だったが、
ゴルフだから一日延ばしてもらってという人がいた。
うがい薬もらいにいってガンが見つかり、薬と放射線で奇跡的に治った。
最後の残滓が、そのままでもいいが、取る事にしたと。
プレイ後彼は、入院に備えて新幹線で帰った。
当方が患った帯状疱疹も、3人程が経験者。
前は、人の病気の話は嫌だったけど、最近は耳を傾けるようになった。
いつ自分も家族も病気になるかわからないから、症状や治療方法は聞いておこうと。
天気予報は、太陽が出るという予報だったけれど、富士山は隠れたままだった。
記念撮影をした時、ゴルフ場のカメラマンが、”富士山いれましょうか?”ときた。
勿論入れて、と全員。
終わって、パーティーの時渡された写真には、見えなかった富士が写ってた。
プレイは、昨年はベストグロスを取ったけど、今年は駄目。
何の賞品にもありつけず、おとなしくしてた。
何人かと握手をして、元気に再会しようと、富士山にバイバイした。