聴講生でも、レポートを書き、プレゼンした。

honest152008-07-30

岐阜大学の大学院の聴講生として、
4月から通った。
大学は、前期、後期制だから、昨日が最後の授業。
4枚でレポートを書いて、10分で説明せよ、と。
この講座は、地域科学部の「地域計画特論」。


今迄地域プロジェクトをやってきて、自分の知らない分野を学べないか?
地元岐阜の衰退が進んでいるので、何か見つけられないか、との気持ちで、
この学部の講座を取った。


地域科学部という学部は、地方の衰退とか、地域間格差を考えると、
地方の大学が開設する学部としては、魅力的な学部だと思った。
現実は、地域科学に関する講座は、余りに少ない。
専門性のある先生も少ない。
10年以上前に開設した、当初の目標も力を失っているようだ。
選んだ講座の生徒数が、6名。
中国からの留学生2名、ベトナム1名、社会人院生1名、他大学からの受講生1名、
それに私。
日本人のプロパーの受講生がいない。
就職とか、この講座の将来性が見えないからかなー?


「地域計画特論」のタイトルだったけど、先生は都市交通が専門。
地域交通として、改めてバスを見直そう、という視点で講義が進んだ。
後半では、道路についても触りがあった。
ただインフラ、ハード志向での講義であった。
もう少し、ソフト、コンテンツを考えた地域計画が論じられるかと期待したが。


6名の、報告が始まった。
先生は、講座で感じた事でそれぞれの考えを述べて来い、と言った。
中国留学生は、「現代社会でのバス運行のあり方」を、練れた日本語で10分丁度で
説明終えた。先生の授業に沿ったまとめであった。
その後の説明者のタイトルは、「コンパクト・シティと公共交通を利用した都市計画」
「自家用利用から公共交通機関利用への転換誘導について」
「持続可能な地域公共交通に向けて」
と、先生の講義に近い所でまとめていた。
一人欠席した女子中国留学生は、視点を変えて「緑意識を持った町づくりへ」と
面白いレポートを提出した。


私は、講義の当初、先生が地域づくりは「交流」がキーワード。
インフラ、メディア、コンテンツで地域づくりをしてゆく。
一番重要なのが、コンテンツ。中身が大切。
と説明したが、ここは自分の専門じゃないと、話が終わってしまった。
で、今回のレポートは、「コンテンツにみる地域づくり」という視点でレポートを
まとめた。
あらゆる物、事、人がコンテンツになりうる。
それ故、安易にコンテンツを思いつきでやってる所が多い。
きちんと地域ビジョンをつくり、そのビジョン達成のためのコンテンツを作り上げ、
ムーブメントを起こしていく事が必要だと思う。
そのためにも、地域づくりの指標を新しく作る必要がある。
従来は、下水道、道、橋、学校、図書館、体育館、公民館、といったハード志向、
言い方変えれば、予算化しやすい分野で、地域づくりは進んできた。


地方自治体が破綻する所や、ゴミ分別をきちんとやる、クリーンエネルギー、
ユニバーサルデザインで町づくりをする、安心な食糧が手に入りやすいといった、
生活者マインドでの地域づくりの指標を作り、評価できるようにする。
それぞれの地域が、自分達の地域にふさわしい指標に向かってコンテンツを考える。
というようなプレゼンをした。
先生の講評は、”大論文ですね。地域づくりに新しい指標づりは、自分のライフワークです”
との事でした。
次は、そんな講座が出来ると良いですね。