プライドと偏見
一般テレビが特番で面白くないので、
何気なくケーブルテレビにチャンネルを合わせた。
「プライドと偏見」をやり始めた。
見ていく内に、惹き込まれ、珍しく最後まで見た。
原作は、今から約200年以上前に書かれた。
イギリスのロンドン近郊の片田舎を舞台にした話。
貴族とか成金新興勢力、身分と財産、持つ物と持たない物の格差、差別。
今様に言うと、上目線で人を見る。
作者のジェーン・オースティンは、その上目線での言動や、心の葛藤を
「Pride and Prejudice」とのタイトルで表現した。
Prejudiceは偏見という日本語訳で、近いと思うが、
Prideは、当初「自負」と訳され、「高慢」と修正された。
「高慢と偏見」というタイトルでこの本、映画の理解をしてたが、
昨日映画を見終わって、「自負」でも「高慢」でもない主人公の葛藤が見て取れた。
電子辞書を引いてみると、プライドには高慢という意味も、誇りと言う意味もある。
主人公は、時に高慢に、身分の低い者を見、恋に落ちた後は、自分の高慢さを恥じた。
それでも人間としての尊厳を守ろうとして、恥を忍んで恋を打ち明ける。
そのもやもやしたやりとりが、200年もの前のストーリーを現代にもフィットしている。
日本語に訳せない場合は、無理して訳する必要は無いな。
イギリスの小説は、きちんと自然、背景を表現していないと認められない、と言う。
この映画は、2005年製作だったけれど、全てイギリスロケだそうな。
イングランド地方は、なだらかな丘のような風景が多かった。
この9月に行ったスコットランドは、丘が山になり、湖、入り江もふんだんにあった。
しかしこの映画に見る断崖絶壁のような風景は、今迄見た事もなかった。
映画は、イングランドの田舎風景を丹念に、美しく描いていた。
小説が描いた舞台を、映画は見事に表現してた。
このロケ地は、ロンドン北部のピーク・ディストリクトとリンカーンシャー
だそうである。
イギリスは、随分あちこち行ったけど、まだまだ魅力的なとこがある。
今度行ってみよう。