プライドと偏見

honest152008-10-01

一般テレビが特番で面白くないので、
何気なくケーブルテレビにチャンネルを合わせた。
プライドと偏見」をやり始めた。
見ていく内に、惹き込まれ、珍しく最後まで見た。


原作は、今から約200年以上前に書かれた。
イギリスのロンドン近郊の片田舎を舞台にした話。
貴族とか成金新興勢力、身分と財産、持つ物と持たない物の格差、差別。
今様に言うと、上目線で人を見る。
作者のジェーン・オースティンは、その上目線での言動や、心の葛藤を
「Pride and Prejudice」とのタイトルで表現した。
Prejudiceは偏見という日本語訳で、近いと思うが、
Prideは、当初「自負」と訳され、「高慢」と修正された。
高慢と偏見」というタイトルでこの本、映画の理解をしてたが、
昨日映画を見終わって、「自負」でも「高慢」でもない主人公の葛藤が見て取れた。


電子辞書を引いてみると、プライドには高慢という意味も、誇りと言う意味もある。
主人公は、時に高慢に、身分の低い者を見、恋に落ちた後は、自分の高慢さを恥じた。
それでも人間としての尊厳を守ろうとして、恥を忍んで恋を打ち明ける。
そのもやもやしたやりとりが、200年もの前のストーリーを現代にもフィットしている。
日本語に訳せない場合は、無理して訳する必要は無いな。


イギリスの小説は、きちんと自然、背景を表現していないと認められない、と言う。
この映画は、2005年製作だったけれど、全てイギリスロケだそうな。
イングランド地方は、なだらかな丘のような風景が多かった。
この9月に行ったスコットランドは、丘が山になり、湖、入り江もふんだんにあった。
しかしこの映画に見る断崖絶壁のような風景は、今迄見た事もなかった。
映画は、イングランドの田舎風景を丹念に、美しく描いていた。
小説が描いた舞台を、映画は見事に表現してた。
このロケ地は、ロンドン北部のピーク・ディストリクトとリンカーンシャー
だそうである。
イギリスは、随分あちこち行ったけど、まだまだ魅力的なとこがある。
今度行ってみよう。