松井は、”言葉のやりとり”でもMVPだった。

honest152009-11-06

ワールドシリーズを、ずっと見ていた。
松井打て、と思ったように彼は打った。
次も打った。
三打席目は、さすがに打たないと思ったけど、
球場から”MVP! MVP!”とうねりのような声が出てきた。
アメリカファンは、正直だ。
国籍を問わず、結果を出した人間を評価する。
三打席も彼は、期待に応えた。
MVPは間違いない、と思ったけど、
リベラも活躍、貢献してた。
それでも松井は、見事MVPを獲得。


グラウンドにヤンキースの選手、関係者で溢れてた。
関係者が、松井に耳打ち。
MVPと、松井に告げられたのに、彼は顔色を変えない。
監督の優勝インタビューの後、MVPの松井にインタビュー。
英語がわかるはずなのに、敢えて彼は通訳をつけた。
大正解だ。
MVPを獲得した心境といったインタビューのあと、
”契約最終年だけど、、、?”
という核心をついた質問。
日本の報道は、この場面でこんな質問はようしない。
ここもアメリカだ。
この微妙な質問に、松井は日本語でこう答えた。
”私はニューヨークが好きです。ヤンキースが好きです。チームメートが好きです。
 ファンが好きです。”
この言葉に込められてる思い。
ファンの後押しも惹き付けた、松井のこの受け答えの重さ。
余分な言葉も、足りない言葉もない。凝縮された言葉。
こんな松井に誰がした!
アメリカの風土、マスコミ、ファン、チームメートが彼を育てた。


昨日は、試合が終わったばかりの興奮状態の中での、松井は言葉を選んで、
ファンの支持も得ながら発言していた。
裁判での宣誓、議会での宣誓、とアメリカでは宣誓での言葉は重い。
そういったアメリカ社会で育まれたからこそ、松井の発言も重い。
彼にとっても宣誓のような発言だったろう。
それにしてもあの興奮場面で、契約問題を含んだ自分の気持ちを良く言えた。
今の日本に蔓延ってるまやかし発言に馴らされた自分には、とても新鮮だった。