こんな面白い映画が創れるんだ、今のロシアは。

honest152010-06-10

日本題「オーケストラ」、原題「Consert]
見たいと思ってたら、名古屋の名演小劇場でやってた。
ロシアの映画だから、固いのかなーと思ってたら、
楽しく仕上げてた。
こんな映画創れるなら、これからのロシアは楽しみだね。


30年前のロシア、ブレジネフに潰された楽団が、トリックを使いパリ公演を
する事に。
楽団員は、潰れた後めいめいが生活のための仕事に精を出している。
楽しく楽器をいじる事も忘れてはいない。
そんな楽団員をパリに連れて行ったら、パリの街の楽しさに浸ってしまい、
リハーサルにも来ない。
権力に潰されても、自分達の日々の生き様を大切にするんだという
ロシア魂が溢れている。


そんな楽団員のロシア魂とは、別個に死んだと思われた共産党一党独裁
夢見る連中がパリにもいる。
自由な街パリにいる共産党支持者も、今やほんの一握り。
(映画だけの世界か、現実かは定かでない)


人気の美人バイオリニストをパリ公演のゲストに迎え、
公演中止になるか、ならないか、と二転三転していよいよタクトは振られた。
チャイコフスキーのバイオリン協奏曲。
リハーサルもしない楽団員の音はイマイチ。
腹を括った美人バイオリニストが、乾坤一滴素晴らしい演奏を始める。
その素晴らしさに昔の自分達の腕を思い出した楽団員が最高の演奏を
発揮し始める。
その合間にも、30年前の圧制ロシアでシベリアに飛ばされた音楽家
出てきたり、本当はとても厳しい時代を30年かかって生き抜いた
今のロシア人達を、音楽というスタイルで描いたんだ、という事がわかる。


厳しいロシアだけど、素晴らしい音楽を作り出したチャイコフスキー
ロシア人だし。
素晴らしいオーケストラもあるんだよ、と監督は言ってるみたい。
ユーモアも、エンタテイメントも、涙も溢れてくる映画を作った。
こんな素晴らしい映画が、何故「名演小劇場」だけなの?
この映画館もいいけど、クラシックを大型映像で、いい音響で
聞き、見たいね。
のだめカンタービレもいい劇場でやってるから音楽が映えた。
「オーケストラ」も、いい劇場でもう一度見たい。