”シャンタラム”は、今年一番の本
破天荒な本。
海外ものが好きだけど、これは枠を外れてた。
作家は、オーストラリア人。
武装強盗を働き、服役中に脱獄。
インド・ボンベイに渡り、スラムに住み無資格ながら、
無料診療に当たったり、マフィアと行動を共にしたり、
アフガンゲリラにも従軍したした後、ボンベイに戻って、
不法活動のため再逮捕され、刑期を勤め上げた。
その後、この本を書いた。
実録ものかなー、という展開をしてゆく。
それだけでも十分だけど。
殆ど知らないインドの底辺、裏の世界が描かれていて、
インドについての見方が開かれてゆく。
インドの英語の先生にこの本について、尋ねたら、ちょっとだけ
知ってると答えてくれた。
ただスラムについて尋ねたら、殆ど知らないと。
触れたくない世界なのかも。
中国は、東洋の雰囲気があるし、歴史的にも、馴染みがある。
インドは、アジアの中といえども、アジアの感じはしない。
ヨーロッパ系の顔だち、民族的にもアジア系じゃない。
イギリスの植民地ではあったけど、中近東、ヨーロッパの人々にも
惹かれる世界があるようだ。
この本の中では、イラン、アフガン、パレスチナ、イタリア、
フランス、イギリス、ドイツ、アメリカの人がインドに
取り付かれてる。
イスラム、ヒンズー、キリスト、仏教と宗教が変われど、
インドでは、お互いを許しあってる。
とてつもなく貧乏なスラムでも、生き方、哲学を体の中に
刷り込んで、その後の生き方に大きな影響を得た。
どこまでが、実録で、どこからがフィクションかはわからない。
けど、インドについて、今まで何となく思ってたイメージが
この本で変わった。
ここは、東洋でも西洋でもないんだ。
そんな国が、近くにある。
今まで行く気がなかったけど、ちょっと行く気になった。