”シャンタラム”は、今年一番の本

honest152011-12-15

破天荒な本。
海外ものが好きだけど、これは枠を外れてた。
作家は、オーストラリア人。
武装強盗を働き、服役中に脱獄。
インド・ボンベイに渡り、スラムに住み無資格ながら、
無料診療に当たったり、マフィアと行動を共にしたり、
アフガンゲリラにも従軍したした後、ボンベイに戻って、
不法活動のため再逮捕され、刑期を勤め上げた。
その後、この本を書いた。


実録ものかなー、という展開をしてゆく。
それだけでも十分だけど。
殆ど知らないインドの底辺、裏の世界が描かれていて、
インドについての見方が開かれてゆく。
インドの英語の先生にこの本について、尋ねたら、ちょっとだけ
知ってると答えてくれた。
ただスラムについて尋ねたら、殆ど知らないと。
触れたくない世界なのかも。


中国は、東洋の雰囲気があるし、歴史的にも、馴染みがある。
インドは、アジアの中といえども、アジアの感じはしない。
ヨーロッパ系の顔だち、民族的にもアジア系じゃない。
イギリスの植民地ではあったけど、中近東、ヨーロッパの人々にも
惹かれる世界があるようだ。
この本の中では、イラン、アフガン、パレスチナ、イタリア、
フランス、イギリス、ドイツ、アメリカの人がインドに
取り付かれてる。
イスラム、ヒンズー、キリスト、仏教と宗教が変われど、
インドでは、お互いを許しあってる。


とてつもなく貧乏なスラムでも、生き方、哲学を体の中に
刷り込んで、その後の生き方に大きな影響を得た。
どこまでが、実録で、どこからがフィクションかはわからない。
けど、インドについて、今まで何となく思ってたイメージが
この本で変わった。
ここは、東洋でも西洋でもないんだ。
そんな国が、近くにある。
今まで行く気がなかったけど、ちょっと行く気になった。